コラム

人生の選択肢

人生の選択肢

女性なら誰でも、「子どもは何人欲しい」とか、「何才までに結婚したい」とか考えたことがあると思います。
この素朴な願望は、年齢に関係なく、物心ついた頃から誰もが考えることだと思います。そして、成長するにしたがって、社会背景の影響を受けながらより具体的なイメージが形成されるのではないでしょうか。
結婚を「する」のか「しない」のか、子どもが「欲しい」のか「欲しくない」のか、とかいろんな考え方がありますが、いざ子どもが欲しいと思った時に後悔をしないために、「子どもは何歳まで産める?」ということを知っておくことは大切だと思います。「女性は何歳まで子どもを産むことができるか?」あるいは「女性はいつまでに子どもを産むべきなのか?」というような疑問は、ひと昔前までは、決して出てこなかった疑問のように思います。今日に於いては、多くの人生の選択肢が女性にも可能になっています。ひと昔前のように「結婚・出産」の目安になっていた年齢の枠決めが、もうあてはまらなくなっているためだと思います。
少し前までは、25才頃までには結婚し、30才までには第1子の出産を終えるのが世間の常識として定着していたのではないでしょうか。しかし、女性の自立やキャリアアップが可能になり、豊かな生活の中で無理に結婚をせずとも女性が幸せに生きていける環境ができてきた今の社会では、そのような昔ながらの枠組みどおりに人生を歩む女性が少なくなってきているように思います。
女性の生き方の選択肢が広がった結果、晩婚化が進み、子どもを欲しいと考える年齢も高くなってきています。それは、社会的な観点からは素晴らしいことなのですが、女性が子どもを産める期間というのは、生殖学的には、ひと昔前となんら変わっていないという事実は認識しておかなくてはならないと思います。
人生をエンジョイしてきた女性が、「自然に子供が授からない年齢」に達することに気づいておらず、それに気づいた時には「どうしてこんなことに?」と呆然としてしまうのを見ることは珍しくありません。女性の自立やキャリアなどが確立された一方で、「子どもを産む」という話題は、「女性は子どもを産む道具ではない」という、女性解放のコンセプトに反するものとして黙殺されてはいないでしょうか。

「子供を産む」ということを、ただ古くさいコンセプトだと思っていませんか?
「子供を産む」ことについての情報が、改めて議論をする話題にならず、正しい情報を求めようとしても、なにか聞きづらい話題になってしまっているのではないでしょうか?
今の日本は少子化が大きな問題になっています。東京都の23区では一夫婦あたりの子どもの数が一人以下という前代未聞の記録を更新してしまいました。このような事実をなんとなく他人事と思ってはいませんか? 女性の社会的地位が認められてきた今こそ、女性の特権である「子どもを産むこと」そして「子どもを産むかどうか」あるいは「いつ産むか」という選択肢について、改めて考えていただきたいと思っています。 「子どもを産むかどうか」あるいは「子どもをいつ産むか」ということについて、具体的にどのような選択肢があるのかを考えてみたいと思っています。

子宝を授かることを望みながら子供ができないご夫婦は、世の中にたくさんいます。不妊治療を行ってもなお結果が出ない方も多くいます。そして、究極の選択しに望みを託さる方も年々増えつつあります。

生殖補助医療の究極の選択肢といわれているのは、卵子提供プログラムや代理出産プログラムです。ご自身の卵子では妊娠が困難あるいは不可能という女性が、第三者から卵子の提供を受けてご主人の精子と体外受精して得られた胚をご自身の子宮に移植し、妊娠・出産する、というのが卵子提供プログラムです。
また子宮がんなどの理由で、ご自身の子宮を摘出してしまったり、子宮がない状態で生まれてきた女性が、代理母に代理妊娠・代理出産をお願いする、というのが代理出産プログラムです。
そして、何らかの理由で卵巣と子宮の両方をなくされたり機能していない場合は、この2つのプログラムのコンビネーションである、ドナー卵子による代理出産プログラムも存在しています。

当たり前のことですが、ほとんどの女性は卵子提供プログラムや代理出産プログラムといった究極の高度生殖医療の力を借りずに自然にお子様を授かる幸運に恵まれます。しかしながら、逆に、子宝を授かることを心から望んでいるにも拘わらず、これらの特別な手段を経なければ、お子様に恵まれることができないご夫婦の数が想像以上に多いことも事実です。そのようなご夫婦は、私たちの身近にもいらっしゃるかもしれません。
生殖医療の新しい選択肢を選ばれたご夫婦は、そのような特別な手段を経ずともお子様を授かったご夫婦と同じように、今お子様を囲んでの「普通の幸せ」を手に入れて、家庭生活を送っているのです。