コラム

メディカルツーリズム

メディカルツーリズム

近年よく耳にするメディカルツーリズムですが、観光立国推進のためアジア各国が医療観光の覇権争いを繰り広げています。
シンガポール、タイ、マレーシア・・・・
グローバル化した今、国内だけで医療や医療サービスを受ける必要はなくなりました。インターネット等の情報網や移動手段が発達し、1日あれば世界のどこにでも行くことができます。質の高い医療やよりよい医療サービスを受けたいなら、国境を超える必要が出てきています。これは、海外の旅先で医療を受けることであり、医療サービスを受けるために海外旅行をするということです。

つまり、「旅+医療」がメディカルツーリズムと言う事になります。
*コロナのパンデミックによりアジア各国は大打撃を受けましたが、2022年には徐々に回復傾向にあります。

日本では「国民皆保険」とされ、国民は何らかの公的医療保険に加入することが定められています。現在は3割の自己負担で一定水準の医療を受ける事が可能です。

しかし日本の医療は、「3時間待ちの3分診療」と言われるようなサービスの低下、最先端医療や特別な医療を受けようとすると保険外診療となり高額になるなどの問題もあります。
それではなぜ今、メディカルツーリズムなのでしょうか。
理由の第一は、国内の医療サービスの質の低下と不便さ、第二は医療費の安さ、そして第三は医療の技術水準の高さです。
このようなメディカルツーリズムですが、特に今、アジア各国が注目されています。

2013
年度メディカルツーリズムで評価の高かった病院 (MTQUA 2013Worlds Best Hospitals for Medical Tourists) が発表されました。

1位にはマレーシアにあるプリンスコート・メディカルセンター、そして6位にタイのバムルングラートインターナショナル病院、8位には同じくタイのバンコク病院メディカルセンターがランクインしました。
また20143月にドバイで開催されたIMTJ Medical Travel Awards 2014では、年間国際病院賞:グレンイーグルス・クアラルンプール年間国際不妊治療クリニック賞:プリンスコート・メディカルセンターと、マレーシアにある2つ病院が受賞しました。
マレーシアそしてタイは、医療関連産業と観光を連携させたメディカルツーリズムを、外貨を誘致する産業として発展させるため、国の政策と位置付け推進している事が結果として表れています。

アジア各国では、メディカルツーリズムを外貨獲得の重要政策としています。

タイでは、1990年代後半から「アジアのメディカルセンター」を目指す政策が始まりました。2012年には、253万人の外国人がメディカルツーリズムでタイを訪れています。2004年、タイ政府が外貨獲得を狙って打ち出したアジアの「メディカルハブ構想」が実をむすんだ結果でした。
同様にマレーシアでも、国家重点経済分野のひとつとして民間医療が挙げられ、メディカルツーリズム振興と、毎年100万人の外国人受け入れ、高度医療機器の設置などによる成長産業として育成することが示されています。1998年1月にはメディカルツーリズム推進委員会ができ、本格的に取り組んでいます。
各国が重要な政策として振興する一方で、高いホスピタリティ精神、コストパフォーマンス、そして欧米などの先進諸国へ医学留学した経験を持つ優秀な医師、高級ホテル並の豪華な設備など自由競争下における民間病院のサービス向上が、メディカルツーリズム人気を下支えしています。

メディカルツーリズムとは、医療を受けることを目的にした海外旅行のことです。また医療を主目的にしないまでも、海外旅行中にオプショナルツアーとして人間ドックや整体などを行う事も含まれます。
具体的には、整形美容やレーシック、卵子提供などの高度不妊治療といった各分野や、健康志向の現代社会では、ウェルネスや健康診断などの分野もあります。
すなわち日本国内では高額な治療、厚労省が認可していない治療、保険適用外の医療などを受けたい場合、それを海外で受診することなのです。
現在、タイやマレーシアといったアジア諸国へは、ヨーロッパや中東、中国、もちろん日本からも含め数百万人のメディカルツーリストが訪れています。

エンジェルバンクでは、海外で行う卵子提供プログラムや代理母出産プログラムなどの不妊治療や世界的に実績のある病院、日本国内ではまだ許認可されていない治療などの紹介やそれを希望する方へは、医療機関のコーディネイトを行います。